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老人性痴呆症と人妻 本来まちの外科医であった私が、主として痴呆性老人をお世話する特別擁護老人ホームを開設したのが、今から15年前です。以来、常に老人性痴呆と向き合ってきました。当時は、痴呆、特に脳の変性疾患による痴呆は治すことができない病気のひとつでありました。いろいろな問題行動を起こすご老人を狭い一室に閉じ込めることが多く行われており、私はなんとかもっと広い空間を提供し、自由に行動してもらうことはできないだろうかと考えていました。 痴呆性老人のすべてを受容し、人権を守ることをケアの原則としてお世話をしていくと、入所当初は混乱していた方が、数日のうちに表情も柔和になられ、意思疎通もでき、施設の中での生活にも慣れてくるようになり、なじみの関係も出てくることに感動を覚えました。 それから15年、その間にいろいろな研究がなされ、痴呆症の原因も次第に解明されてきました。一部の遺伝形式が指摘されたり、分子化学的な解明も進められています。アルツハイマー病の症状をやわらげるお薬も販売されております。 しかし、まだまだ適切なケアが一番大切であり、痴呆症状をきたす真の原因をともに体感して解決につなげるバリデーションの技法や、お年寄りに寄り添う個別ケアが主流になってきています。 これからの高齢化社会において、痴呆に関する諸問題は避けて通れないものであり、痴呆症に関するこれからの対策のひとつとして、できるだけ早い時期に痴呆を見つけ、適切なケアを行うことによって重症化を防ぎ、社会生活を全うできるお手伝いをすることが重要であります。 私は、長年痴呆症と関わってきたことに加え、医師という立場であることもあって、住民の方々のうち希望される方へ「物忘れ検診」を行うことを考え、現在、大学医学部の教授をはじめ関連の深い方々、並びに行政とその準備を始めているところです。さて大きな問題は、こうした検診で発見された比較的早期の痴呆症の方々にどういった対策を立てていくかということです。 検診を行うだけでは何の役にも立ちません。早期痴呆の方々のためのデイケアやリハビリなどを、行政の施策として普及させていかねばなりません。 しかし、本来は痴呆にならないことができれば、それが一番です。そうした意味で、痴呆の予防ということにも力をいれなければなりません。できるだけ脳の活動を活発にする、コレステロールの値を正常に保つ、適度な運動を続ける、バランスのよい食事をとるといったことが言われます。栄養のバランスの十分でない人にはビタミンなどサプリメントや健康補助食品も必要でしょう。私も友人に勧められて『記憶コリン』を飲み始めています。まだ効果が現われるには時間があるようですが、含有成分からみて副作用の心配もありませんので、私自身の痴呆の予防に、今後も飲み続けたいと思っています。 |